クロージングコンサート
Closing Concert
2007年08月22日[水] 17:22
リハーサル終了後舞台を整えて、受講生によるセミナーの成果発表としてのコンサートと、講師によるクロージングコンサートが続きます。
受講生コンサートは21日の18時から約1時間で、計8曲を7組9名がソロや講師とのデュオなどで披露しました。


↑左:湯浅譲二さん作曲の『天気予報所見~バリトンとトランペットのための』を金管楽器マスタークラスの受講生のかたが橋本さんとの共演で披露。受講生はトランペットを、橋本さんはバリトンを担当しています。ちなみにバリトンとは男声のバスとテノールの中間の声域およびその歌手のことをいいます。
右:作曲家の若林千春さんがご自身の作曲された『玉響(たまゆら)...Momentariness Ⅳ』をフルートクラスの受講生とピアノで共演。

↑フルートクラスの受講生のソロ演奏。こちらは武満徹さんの曲でした。
その他にもヴァイオリンクラスのかたがバッハのソナタや、ブーレーズの曲などを披露しました。受講生のみなさんは集中セッションの成果を存分に発揮され、充実した演奏会となりました。
その後30分程度の休憩を挟んでいよいよクロージングコンサートです。この日は火曜日で平日にもかかわらず多くの方が鑑賞に足を運んでくれました。ここ芸術村では過去7年間現代音楽セミナー『秋吉台の夏』が続いており、さらにその前身の秋吉台国際20世紀音楽セミナーは約10年続いています。これだけ沢山のお客様が来場されるというのは、この地に現代音楽が深く浸透していることを実感させてくれます。
クロージングコンサートは二部構成で、前半は『湯浅譲二+松平頼暁 2人展』ということで湯浅さんと松平さんの曲計4曲で構成され、後半は『ファイナルコンサート』として各演奏者がチョイスした6曲が展開されました。
まずは『湯浅譲二+松平頼暁 2人展』より


↑左:曲の解説をする松平さん、右:演奏終了後の様子
松平頼暁さん作曲の『Why not?』。松平さんが手にしているのはトランプです。この曲にはいわゆる楽譜はなく、トランプのカードによって曲が進行します。4人の演奏者がそれぞれ1組のトランプを持ち、そこから無作為にカードを選んでいきます。トランプのマークにはそれぞれルールが設定されています。例えばスペードが出たら床を叩くとか、クラブがでたらピアノの音を出すといったようにです。そしてその長さや回数がトランプの数字によって決定されます。つまり、最低限のルールをつくっておいて、あとはそれぞれの演奏者がタイミングをみて演奏を重ねていくという、即興演奏にも近い斬新なものでした。

↑松平さんの『エングレーヴィング』の演奏の際にマリオ・カローリさんが用いたコントラバス・フルート。とても珍しい楽器です。


↑左:『芭蕉による心象風景Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ』という曲の解説をする湯浅譲二さん。西洋音楽と日本の音楽の歴史と形式や、その認識の違いについてなど興味深いお話しをいただきました。
右:演奏者の西野優子さん(ヴァイオリン)、藤田朗子さん(ピアノ)と湯浅さん
そして『ファイナルコンサート』

↑3台のピアノによる松平頼暁さんの『ブライトネス』。とてもアグレッシブでテンポのよい曲で、3人の緩急のある演奏は絶妙でした。


↑左:今回の講師の一人である若林千春さんの『メタ-モルフォ-ジェネシス1(改訂版)』を演奏するクラリネットの山根孝司さんとヴィオラの佐藤佳子さん。この曲は昨年の『秋吉台の夏』のクロージングコンサートで演奏されたものを改訂したもので、この改訂版は世界初演となりました。長く連なった楽譜に沿って移動しながらお二人は演奏しています。
右:演奏終了後に握手を交わす演奏者2人と若林さん。この曲は画家のエッシャーの作品のように繰り返し生成しながら変化し収束していくさまを音楽で表現することを試みたということを仰っていました。


↑左:マリオ・カローリさんと中山敬子さん。日本初演となる『クサンティーズ』を演奏。
右:同じくマリオさんと村上景子さんのデュオ。村上さんは第1回の『秋吉台の夏』の参加者で、その後渡仏しストラスブール音楽院でマリオ・カローリさんに師事し、現在はフルート奏者としてフランスを中心に活動中。今回は通訳兼アシスタントとして来日されました。このワークショップからこれからもどんどん新しい人材が輩出されていくことに期待していてください。


↑左:チューバとバス・クラリネットによる新鮮なデュオ。リハーサルでは軽い調整でおわったお二人ですが、さすが本番はばっちりきめてくれました。
右:本日大活躍のマリオさんは最後も締めてくれました。

↑演奏終了後は全演奏者が登場して拍手喝采のもとに幕を閉じました。約2時間半に及ぶ長いコンサートで終了したのは夜の10時でしたが、最後まで鑑賞し暖かい拍手を送ってくれたお客様、ほんとうにありがとうございました。
(はっとり)
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