trans_2009-2010 ヴァレリア「すっぴん通り」パフォーマンス
2010年02月28日[日] 14:25山口市内には、車で入れないような歩行者用の狭い小道がたくさんあります。ヴァレリアは数多くある小道の中でも、その昔、女性達が化粧をしないで、すっぴんで人目に触れたくない時に通っていたという「すっぴん通り」に興味を持ち、リサーチを行ってきました。ダンサーである彼女は、「すっぴんでいること」は自然体でいることという解釈も加え、彼女が一貫して追求しているテーマである自らの身体に忠実であること、自然でいること、また公共空間における身体の存在を考えるためのダンスを展開するのに、この通りは適した場所だと考えたようです。

この日の撮影は2月とは思えないほど暖かく、雲一つない晴天の中、すっぴん通りを端から端へダンスをしながら進んで行きました。
ヴァレリアのおかげで、芸術村スタッフの間ではすっかり「すっぴん通り」という名前は定着しましたが、おそらく、この地域に住む人でさえこの通りがすっぴん通りと呼ばれていたことを知らないでしょう。ヴァレリアのパフォーマンスを通して、じっくりとすっぴん通り眺めていると、人目に触れることを意識していない裏通りにもたくさんの物語があるように見えてきます。

裏庭に積まれたガラクタの中に入り込んだり、溝に横たわったり、突然倒れたり、壁にぶらさがったり、彼女の即興ダンスは、一見突飛に思えますが、彼女はとても自然に場所に溶け込みます。彼女が繰り返し語っている「身体は周囲の環境と離れた独立要素ではなく自然の一部である」という考えを思い巡らせながら見ると、また新しい発見があるかもしれません。

高い集中力で撮影に挑んだヴァレリアは、作り込んだ舞台や振り付けされたダンスでは得ることができない、偶然に居合わせた人や動物や自然が鳴らす音、太陽の光の変化、思いがけない成功や失敗をビデオに収めました。このパフォーマンスは、3月6日から始まる展覧会 "Space Reception" でビデオ作品として上映する予定です。
(塚田)
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